インプラント治療を始めて30年以上になりますが、歯の無い部分の治療の中で最も良い治療だと思います。
しかし何年使用できるのか?10年後にどうなっているか?気になりますよね。保険の入れ歯は4~5年ブリッジでも7~8年が寿命といわれているので、10年後というと想像がつきにくいことかと思います。そこで今回はインプラントを入れてから10年後はどうなるのかと長持ちさせるためにすべき3つの習慣について、詳しく解説します。
●10年後も正常に機能している
前回のブログでは、「インプラントの10年生存率」について詳しく解説しました。インプラント治療を実施した90%以上のケースで、10年後も正常に機能し続けていることがわかったという調査報告です。インプラントはアゴの骨内に人工歯根が埋めてあることから、従来の治療法よりも寿命が長くなっているのです。実際は、10年どころか20年、30年と長持ちさせることも難しくないのがインプラント治療です。ただし、治療後のケアの状況によっては、10年後に別の装置が入ったり、お口の中の環境が変化している場合もありますので十分な注意が必要といえます。
●インプラントを長持ちさせる3つの習慣
インプラントを10年後も問題なく使い続けるためには、次の3つの習慣を実践するようにしましょう。
習慣1:メンテナンスを受ける
インプラントを長持ちさせるためにはメンテナンスが欠かせません。3~6ヵ月に1回のメンテナンスで専門家による精密なチェックを受けるようにしましょう。インプラントのメンテナンスでは、装置のクリーニングなども受けられます。
習慣2:天然歯以上に念入りなケアを
インプラントは、人工歯根と上部構造(人工歯)、それらをつなぐアバットメントの3つから構成される補綴(ほてつ)装置です。その構造や見た目、機能性は天然歯そっくりではあるものの、汚れがたまりやすく、歯周病リスクが高い点は少し異なります。そのため毎日のケアは天然歯以上にしっかり行う必要があるのです。インプラントのケアをおざなりにしていると、インプラント周囲炎という歯周病にかかってしまうため、十分な注意が必要です。インプラントに適したケア方法を身に付け、それを毎回の歯磨きで実践するようにしましょう。
習慣3:バランスよく噛む
食事の際に、インプラントの部分ばかりで噛んでいると、咬合圧(こうごうあつ)が集中してしまいます。その結果、上部構造のセラミック歯が破損したり、アゴの骨に炎症が起こったりすることもありますので、バランスよく噛むことを心がけましょう。歯ぎしりや食いしばりといった口腔習癖もインプラントの寿命を縮める主な原因となっていることから、早期に改善するのが望ましいです。インプラントはとても丈夫な装置に見えますが、不適切な咬合圧がかかることで容易に破壊されてしまうのです。
一度で噛み切れないような硬いものを頻繁に食べるのも注意が必要です。
●まとめ
今回は、インプラントを埋入してから10年後の経過や長持ちさせるための3つの習慣について解説しました。治療から10年経っても問題なく機能しているケースがほとんどです。とくに本文でもご紹介した3つの習慣を実践することで、インプラントは長持ちしやすくなります。