誤嚥性肺炎と口腔内衛生
誤嚥性肺炎は2021年日本人の死因の6位になっています。
とりわけ高齢者のなかでは大きな割合を占めています。
誤嚥性肺炎には、胃の内容物を嘔吐に伴い肺に誤って嚥下して生じる化学的肺炎と、口腔内細菌を不顕性に誤嚥して生じる細菌性肺炎に分けられます。
今回は口腔内状態と大きくかかわりある後者について言及します。
細菌性肺炎の背景には、夜間睡眠中の嚥下反射、咳反射の低下と、口腔内細菌の増加があげられます。
日中の嚥下反射、咳反射はかなりの高齢者に達するまで保たれることが分かっています。
しかしながら夜間睡眠中は、健常な高齢者でもこれらの反射能力が低下し、脳梗塞やパーキンソン病を有する患者ではさらに低下するといわれています。
そのため誤嚥する口腔内の細菌を量的に減らすことで肺炎の発症リスクを減らすことができると考えられています。
日常のブラッシングや定期的な検診清掃によって口腔内細菌をかなり低減できると思われます。
自分では磨けていると思っても磨けていない部分があるかもしれません。
一度当院に来院されて確認してみてください
岩上