糖尿病と歯周病
糖尿病の患者さんは全国に約1000万人ほどいらっしゃいます。
近年糖尿病が歯周病を誘発し、歯周病が糖尿病を誘発することがわかってきました。
どのように関係しているのでしょうか。
糖尿病では免疫が低下することが知られています。
免疫とは体内に入った細菌などを白血球などが攻撃することです。
ところが、高血糖の状態では、白血球などの働きが低下してしまい、さまざまな感染症にかかりやすくなってしまいます。
また、高血糖の影響で歯の様々な組織が劣化したり、歯の周囲の血行が悪くなることも関係すると考えられます。
他方、歯周病の炎症が関係します。
炎症とは、生体の障害に対する防御反応ですが、そのために、特殊な細胞が集まってきます。
これらの細胞や炎症物質が体内を駆け巡ります。
それらが、インスリンの働きを妨げてしまいます。
しかし、糖尿病の患者さんの多くは、歯周病のことを意識していません。
自分が歯周病になっていないかどうか、チェックしてみましょう。
口臭を指摘されたことがある。自分で口臭があると感じる。
朝起きたときに、口の中がねばねばしてると感じる。
歯を磨くと、歯ぐきから血が出る。
歯ぐきがムズムズして痒い。
歯ぐき腫れぼったい。
歯ぐきを押すと血が出る。
3つ以上あてはまれば、軽度から中等度の歯周病が疑われます。
糖尿病の人が歯周病を治療すれば、糖尿病も改善します。
歯周病の炎症が無くなれば、全身に広がらなくなり、インスリンの働きが改善して、血糖値が改善すると考えられます。
枝村