歯根膜と認知症
歯と認知症には大いにかかわりがあるのをご存じですか
突然ですが、歯と顎の骨は直接くっついているわけではありません。
歯の下には「歯根膜」というクッションのような器官があります。物を噛むと歯は歯根膜に約30ミクロン(0.03㎜)ぐらい沈み込みます。その中には噛んでいることを感じるセンサーがありそれで咬合力などを制御しています。また嚙みこむことによって歯根膜の下にある血管が圧縮され、ポンプのように血液を脳に送り込まれます。
ひとかみで送りこまれる血液の量は約3.5㎖です。
イメージとしては、お弁当についてくる魚の形の醤油入れとほぼ同量です。噛むたびにお醤油入れくらいの血液が脳に送り込まれます。
また、血液が送り込まれることで脳は刺激を受けますから、噛めば噛むほど脳は活性化されるというわけです。
逆に、歯の本数が少ないほど歯根膜にかかる圧力は減りますから、脳に送り込まれる血量は減ります。その結果、脳への刺激も減るので、脳の機能は低下してしまいます。
そのため一本でも多くの歯を残すことが重要になります。
毎日の歯磨きももちろん重要なのですが、歯科医院での定期検診もとても重要です。
例えば虫歯で神経を取ってしまった歯はしみるなどの危険信号がなくなるからです。
知らないうちの大きな虫歯になっていて抜かなきゃいけないということもあります。
そのために当院では定期的に上下顎全体が映るレントゲンを撮影させていただき、歯周病の進行や虫歯の進行などをチェックさせていただいています。
定期検診に通っていただき一本でも多く歯を残して健康的な生活が送れるように歯科医院からもお手伝いできれば幸いです。