インプラント治療では、少し特殊な素材を使います。それは金属の一種である「チタン」です。歯科治療で使う金属というと、銀歯や金歯が有名ですが、なぜインプラントではわざわざチタンという珍しい金属を使うのか。今回はそんなインプラント治療で使用する素材について、及川歯科医院が詳しく解説します。
▼インプラントの素材「チタン」について
インプラントは、人工歯根と人工歯(上部構造)、それらをつなぐアバットメントの3つのパーツで構成されています。この中の人工歯根は、ほぼすべてのメーカーで「チタン」が使われており、一部例外的にジルコニアが採用されているのが現状です。
◎チタンは骨の結合する金属
インプラントの人工歯根にチタンが使われている理由は、骨と結合する性質があるからです。専門的には「オッセオインテグレーション」という現象によって、チタンと顎の骨が物理的に結合します。本来、金属というのは身体にとって異物であり、ネジのように埋め込んだとしても、炎症反応などが起こってしまうのですが、チタンはなぜか私たちの身体との親和性が高くなっているのです。そうして背景もあり、インプラントでは開発当初からチタンが使われています。
◎金属アレルギーにはならないの?
金属を身体の中に埋め込むとなると、金属アレルギーが心配になりますよね。歯科治療で装着する銀歯でさえ、金属アレルギーの原因になるくらいですから、顎の骨の埋め込んでしまうと、取り返しのつかないような症状が現れそうなものです。けれども、前段でも述べたように、チタンは珍しく、ヒトの身体との親和性が高いことから、異物とみなされにくくなっています。そもそも骨が自らチタン製の人工歯根を取り込むように結合するわけですから、アレルギー反応を起こすリスクも少ないはずですよね。もちろん、チタンといえども人によってはアレルゲンとなる場合もあるため、心配な人はインプラント治療を始める前に金属アレルギーの検査を受けておいた方が良いと言えます。
▼インプラント治療後のMRI検査について
大きなケガや病気をした際には、CT検査だけでなく、MRI検査も受けることがあります。MRI検査は磁気を利用した画像診断なので、室内に金属製品を持ち込むことができません。金属製のアクセサリーや時計、入れ歯などは必ず外してから入室する必要があります。その際、インプラントはどうなるのでしょうか?チタンはれっきとした金属であり、MRI装置に引き付けられてしまいますが、顎の中にしっかりと固定されているのであれば特に問題はありません。検査画像を大きくゆがませる恐れも低いので、インプラント治療を行った後も問題なくMRI検査を受けられます。
▼まとめ
今回は、インプラントの人工歯根に用いられる金属「チタン」について、及川歯科医院が解説しました。インプラントはチタンがなければ成立しないといっても過言ではありません。そんなチタンという金属の特徴についてもっと詳しく知りたいという方は、いつでもお気軽に当院までご連絡ください。インプラント治療におけるチタンの役割をわかりやすくご説明します。