インプラント治療で最も怖いトラブルは、インプラントが抜けることです。
今回はそんなインプラントが抜けた場合に考えられる原因と対処法について、医療法人ODCインプラント 及川歯科医院がわかりやすく解説します。
▼インプラントが抜ける原因について
インプラントは、次のような理由から抜けることがあります。
◎適切に埋入されていなかった
インプラント手術が適切な方法で実施されなかった場合は、人工歯根が顎の骨に定着せずに抜け落ちます。そもそもインプラント治療がシュミレーションソフトを使用し入念な設計手術計画が行われていないと、そのようなトラブルが起こります。また、未熟な歯科医師が単独で手術を担当した場合も人工歯根が適切に埋入されずに抜け落ちることがあります。
【対処法】
インプラントを適切な方法で埋入できる歯科医師に治療を任せましょう。費用がやすいから、もしくは自宅から近いからという理由で安易に選ぶと、インプラント治療で失敗してしまうことがあります。
◎細菌に感染した
インプラント手術後に細菌感染を起こすと、人工歯根が抜け落ちることがあります。適切な手術を行って人工歯根の定着に成功したとしても、その後に患部が細菌へと感染すると抜け落ちてしまいます。インプラントの周りに細菌感染が起こる主な原因は、口腔衛生状態の不良です。インプラント周囲に歯垢や歯石が付着して歯周病を発症してしまうのです。いわゆる「インプラント周囲炎」ですね。それ以外にもさまざまな理由で細菌感染を引き起こすことがあります。
【対処法】
インプラント治療後の口腔ケアを徹底しましょう。セルフケアを充実されることはもちろんのこと、メンテナンスでのプロフェッショナルケアも定期的に受ける必要があります。インプラントが抜けた人の多くは、インプラント周囲炎にかかっていますので、何よりもまず歯周病を予防することが大切です。
◎インプラントに強い力がかかった
インプラントの上部構造の噛み合わせが悪いと、人工歯根に過剰な力がかかる場合があります。歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖がある場合も同様です。インプラントに対して想定よりも強い圧力がかかれば、装置の一部が破損したり、顎の骨がダメージを受けたりするなどしてインプラントが抜けます。
【対処法】
インプラントの噛み合わせに異常を感じたら、すぐ主治医に相談しましょう。噛み合あわせが高すぎる場合は、上部構造を削るなどでして調整しれくれます。歯ぎしり・食いしばりの習慣は、日頃から意識的に改善するよう努めましょう。
歯ぎしりは歯科医院でマウスピース製作し、それを装着して寝るようにして下さい。マウスピースがクッションになり上部構造の破損防止になります。
▼まとめ
今回は、インプラントが抜けた場合に考えられる原因と対処法を医療法人ODCインプラント 及川歯科医院が解説しました。インプラントは本文で取り上げた3つの理由で抜け落ちることがありますので、十分にご注意ください。ちなみに、抜けたインプラントは顎の骨の状態が良ければ、再治療を行えます。インプラントが抜けた原因によっては、ブリッジや入れ歯治療に切り替えなければならないこともあります。