今回のインプラント
こんにちは、及川です。
今回のインプラントは、益子在住の60代の女性です。
上あごの歯を失い長い間放置していたため、骨がかなり薄い(少ない)状態になってしまい
インプラントを行うスペースがないため、サイナスリフトという上あごの骨の側
面に穴を少し開けて人工の骨を補填する(骨を増やす)治療が必要な症例でした。
この治療で注意が必要なのは、後上歯槽動脈という上あごの動脈が走行しているのを見逃さ
ずCTレントゲンで診断しそれを避けた治療を行うことです。
この事を知らずにサイナスリフト(上あごに骨を増やす治療)を行うと動脈の損傷による大
出血の可能性があります。
このケースでは、後上歯槽動脈の走行を慎重に診断をしてインプラント計画をして、骨の補
填を行いサイナスリフトを行いましたが、この患者さんの後上歯槽動脈の位置が通常より少
し下方に位置していたためと、鼻腔内の圧が高くその圧でサイナスリフト6か月後(骨が硬
くなる時期)のCTレントゲンでの診断で、補填したはずの人工の骨が十分に厚みのある骨に
なっていませんでした。
何度も何度もCTレントゲンでの診査診断をきちんと行い、事前に治療計画を行っていたため
インプラントを埋入する時に焦ることもなく再度ソケットリフト(骨をしたから槌打して骨
を増やす方法)+再度サイナスリフトを行うことにより十分な太さで長さのインプラント本
体を入れることが出来ました。
このようにサイナスリフトを2回行わなければインプラント本体が入らないケースは約30年
のインプラント治療経験がありますがはじめてでしたが、いろんな治療方法を駆使して再生
する事が出来て本当に良かったと思います。
今後も患者様が快適に食事が取れるように安心安全確実なインプラント治療が提供できるよ
うに技術を磨いていければと考えております。
コロナでインプラント会場に集まる講習会が行われていませんが、インターネットで行われ
ているインプラントセミナーなどに積極的に参加して、この時期でもスキルアップをしてい
きたいとも考えておりますので、今後とも宜しくお願いいたします。