突然の歯痛!原因と対処法・予防策|及川歯科医院|栃木県益子町の歯医者

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突然の歯痛!原因と対処法・予防策

ある日突然、歯がズキズキと痛み出し、何も手につかなくなった経験はありませんか?歯の痛みは日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、放置すると症状が悪化し、治療が複雑になることもあります。歯痛の原因は虫歯だけではなく、歯周病や知覚過敏、神経障害性の痛みなどさまざまです。

また、歯が痛くなったときに適切な対処をしないと、さらに痛みが増してしまうこともあります。今回は、突然の歯痛の原因を詳しく解説し、それぞれの対処法を紹介します。さらに、歯痛を未然に防ぐための予防策についても詳しく説明します。歯の健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。

▼突然の歯痛の原因

突然、歯が痛くなる原因としては、主に以下の6つが挙げられます。

  1. 虫歯

虫歯は、口腔内の細菌が糖分を分解し、酸を生成することで歯のエナメル質を溶かしてしまう病気です。初期の段階では痛みがないことが多く、小さな穴ができても自覚しにくいですが、進行すると象牙質や歯髄に達し、激しい痛みを引き起こします。特に、冷たいものや甘いものがしみる場合は、虫歯の進行が疑われます。さらに、虫歯が神経まで到達すると、ズキズキとした自発痛が現れ、夜間に痛みが悪化することもあります。

 

  1. 歯周病

歯周病は、歯茎の炎症が進行し、歯を支える歯槽骨が破壊される病気です。初期の歯肉炎の段階では痛みを感じにくいですが、進行すると歯茎が腫れ、出血や口臭が発生します。さらに進行すると、歯の周囲の組織が破壊され、歯が動揺し、噛むと強い痛みを伴うことがあります。慢性的な歯周病は、糖尿病や心疾患など全身の健康にも影響を及ぼすことが知られています。

 

  1. 知覚過敏

歯のエナメル質が摩耗したり、歯茎が退縮して象牙質が露出したりすることで、冷たいものや熱いもの、酸味のあるものがしみる症状が知覚過敏です。象牙細管を通じて外部刺激が歯髄へ伝わることで生じるため、進行すると慢性的なしみる痛みが続くことがあります。特に、強い歯ぎしりや過度なブラッシング習慣が原因となることが多く、歯の摩耗を防ぐことが重要です。

 

  1. 歯の外傷

事故やスポーツ時の衝撃、硬いものを噛んだ際に歯が欠けたり、ひびが入ったりすることがあります。歯の破折が象牙質や歯髄に達すると、冷たいものがしみるだけでなく、強い痛みを伴うことがあります。特に、神経が露出した場合は激しい痛みが生じ、速やかな治療が必要です。また、歯の脱臼や完全脱落が起こることもあり、この場合は迅速に適切な処置を受けることが求められます。

 

  1. 神経障害性歯痛

神経障害性歯痛は、歯自体に問題がなくても、神経の異常によって発生する痛みです。三叉神経が圧迫されたり、過去の歯科治療による神経の変化が原因となったりすることがあります。痛みは断続的または持続的で、通常の歯科治療では改善しにくいことが特徴です。しびれや刺すような痛みを伴うことが多く、神経内科と連携した診断が必要になるケースもあります。

 

  1. 帯状疱疹

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって発症し、神経に沿って強い痛みと発疹が現れる病気です。特に三叉神経領域に発症すると、顔や口の中に痛みが生じ、歯の痛みと誤認されることがあります。ウイルスが神経に炎症を引き起こすため、発疹が出る前の段階でも痛みが現れることが特徴です。発疹とともに痛みが増す場合は、速やかに医療機関を受診し、抗ウイルス薬の処方を受けることが重要です。


▼突然の歯痛への対処法

突然の歯痛は、原因に応じた対処法が必要となります。

  1. 虫歯の場合

虫歯の痛みが出た場合、まずは痛み止め(鎮痛剤)を服用し、できるだけ早く歯科医院を受診することが重要です。冷たい水で口をすすぐと一時的に痛みが和らぐことがありますが、温かい飲食物は避けた方が良いでしょう。また、虫歯が神経まで進行している場合、痛みが強くなる傾向があるため、できるだけ早く歯科医の診断を受けることが大切です。

  1. 歯周病の場合

歯周病による痛みは、歯茎の炎症や膿の蓄積が原因で発生することが多いです。痛みを軽減するためには、歯茎を傷つけないようにやさしく歯磨きを行い、抗炎症作用のあるうがい薬や生理食塩水での洗浄が効果的です。歯茎が腫れている場合、冷たいタオルで軽く冷やすと症状が緩和されることがあります。ただし、根本的な治療には歯科医院での専門的なクリーニング(スケーリングやルートプレーニング)が必要です。

  1. 知覚過敏の場合

知覚過敏による痛みが疑われる場合、まずは刺激を避けることが大切です。冷たい飲食物や酸性の食品を控え、知覚過敏専用の歯磨き粉を使用すると症状が改善することがあります。また、フッ素塗布を行うことで歯の表面を強化し、刺激に対する耐性を高めることが可能です。症状が続く場合は、歯科医院で知覚過敏用のコーティング剤を塗布してもらうのも有効な対処法です。

  1. 歯の外傷の場合

歯が欠けたり、ひびが入ったりした場合は、できるだけ早く歯科医院を受診してください。欠けた歯の部分を持参すると、修復に役立つことがあります。また、歯が完全に抜け落ちた場合は、乾燥を防ぐために牛乳や生理食塩水に浸して持参し、できるだけ早く歯科医院での処置を受けましょう。歯が元に戻せる可能性が高くなるため、時間との勝負となります。

  1. 神経障害性歯痛の場合

神経障害性歯痛は、通常の歯科治療では改善が難しいことが多く、神経内科との連携が必要になることがあります。持続的な痛みやしびれを伴う場合、神経の異常が疑われるため、歯科医院で適切な診断を受けましょう。痛み止めの他に、神経の興奮を抑える薬(抗てんかん薬や抗うつ薬)が処方されることもあります。

  1. 帯状疱疹の場合

帯状疱疹による歯の痛みは、抗ウイルス薬の服用が有効です。発疹が現れる前に神経痛として歯の痛みを感じることもあるため、診断が遅れることがあります。疑わしい症状がある場合は、皮膚科または歯科医院を早めに受診し、必要に応じて神経ブロック治療を受けることで痛みを抑えることができます。

 

▼突然の歯痛を予防する方法

歯が突然、痛くなるようなトラブルを予防するためには、以下の方法が有効です。

◎毎日の歯磨きを徹底する

正しいブラッシング方法を身につけ、歯垢をしっかり除去しましょう。フロスや歯間ブラシを併用することで、歯と歯の間の汚れも効果的に取り除くことができます。歯磨き粉はフッ素配合のものを使用すると、虫歯予防に役立ちます。

◎定期的に歯科検診を受ける

早期発見・早期治療を心がけ、虫歯や歯周病のリスクを減らしましょう。歯科医院での専門的なクリーニングを受けることで、目に見えない歯石やプラークを除去し、健康な口腔環境を維持できます。

◎バランスの取れた食事を心がける

糖分の摂取を控え、カルシウムやビタミンDを含む食品を積極的に摂取しましょう。特に乳製品、小魚、ナッツ類などは歯の再石灰化を助け、強い歯を作るのに役立ちます。

◎歯ぎしり・食いしばりを予防する

就寝時の歯ぎしりや食いしばりが歯に負担をかけるため、マウスピースを活用することで歯の摩耗を防ぎましょう。ストレスが原因となる場合も多いため、リラクゼーションの習慣を取り入れることも効果的です。

◎ストレスを管理する

神経障害性歯痛の予防には、適度な運動やリラクゼーションが効果的です。ヨガや瞑想、ウォーキングなどを取り入れ、心身のバランスを整えることで、ストレスによる歯ぎしりや食いしばりを軽減できます。


▼まとめ

突然の歯痛は、虫歯や歯周病、知覚過敏、歯の外傷、神経障害性歯痛、帯状疱疹など、さまざまな原因で引き起こされます。痛みを感じたら、自己判断せず、早めに歯科医院を受診することが大切です。また、適切な口腔ケアを続けることで、歯痛を未然に防ぐことが可能です。毎日の歯磨きや定期的な歯科検診を習慣づけ、健康な歯を維持しましょう。