こんにちは 歯科医師のIです。
今回は口の衰えであるオーラルフレイルについてお話しします。
口腔の(オーラル)虚弱(フレイル)を表す言葉で、
主に口まわりの筋力が衰えることにより、滑舌や食べる能力が低下することです。
もともとは、日本老年医学会が加齢による心身の虚弱を
“フレイル”という言葉で表現したことからできた言葉です。
オーラルフレイルによって口腔機能が低下すると、
滑舌が悪くなったり、食べこぼし、噛めない食品の増加などの症状が徐々に現れます。
口腔機能の低下は身体的な衰えだけではなく、患者さんの精神的・社会的な側面にまで影響を及ぼします 。
たとえば、歯の喪失により噛めない食品が増えることで、
食への欲求・関心が減少し、それまで楽しみだった家族や友人との外食が嫌になり、
自宅で食べやすい物ばかり食事をするようになります。
オーラルフレイルが続いていくと、食べるものが糖質中心のものとなり結果的に
糖尿病などの生活習慣病を引き起こしたり、
単純に食べる量が少なくなり低栄養で身体のフレイルを引き起こしたりします。
そうならないために口腔内の歯をしっかり管理すること。
歯がなくなったとしてもしっかり咬めるように入れ歯を作ったり、
インプラント治療を行い、ちゃんとご飯が食べられるようにすることが大切です。
それに加えて口の周りの筋肉のトレーニングや飲み込む能力のトレーニングなども効果的です。
トレーニングと聞くと大変で退屈なものと考えると思いますが、
カラオケで本気で歌うことも口の周りのトレーニングになります。
ぜひ試してみてください。