訪問歯科にたずさわって感じることは、少しずつでも、少しでも、患者さんがよい方向に向かっていただければ、と、思いながら日々患者さんと接しています。それがただ、目が合うだけでも声を発してくれるだけでも、うれしいものです。寝たきりの方や、コミュニケーションがとれない方などは、始めた頃は、声もでず、無表情だったのに、話をしようとして、声をだしくれたり、とても口の中の状態がわるく、口臭もひどかった方が、ケアを続けるうちに唾液が出るようになって、口臭がなくなり、今ではケアを始めると、目を開けてしっかり私を見つめてくれます。 又ずっと上を向いて口を開けっぱなしになっていた方も首を揉んで話しかけながらケアをするうちに、首が下に戻ってきて、発生練習ができるまでになりました。御家族の方は「こないだ話しかけたら返事をしたからびっくりしました。」とのことでした。まずは患者さんに楽しみに待っていてくれることが第一です。 すべての患者さんに改善がみられるとは言えませんが、ニコッと口角が少し上がっただけでも、成功だと私は思います。